凝り性その3 -プラネタリウム篇-(99/9/6)


凝り性というほどではないんですが、その昔ちょっと凝ったことについて書いてみます。
甲府の街の中心には、天守閣のない城跡が公園になっている舞鶴公園という場所があります。その中に科学センターと呼ばれる、子供向けの科学関係の展示物がある建物があります。
そこは昔から私の好きなスペースのひとつであったのですが、実は中学生の頃、日曜日になるとこの科学センター内にあるプラネタリウムによく通っていたのです。今考えると、中学生が日曜の昼に一人でプラネタリウムによく行くというのも妙なものです。なぜ、そんなことを始めたのか、今となってはきっかけとかは覚えていないのですが、プラネタリウム通いは1年くらいは続きました。
もちろん、その昔から子供心に宇宙とかに興味があったのは確かです。小さいときによく学研の図鑑とかいうシリーズで宇宙の本を読んだ記憶があります。 しかし、そういった科学的興味もさることながら、暗い場所で満天の夜空を楽しむというのが、ちょっぴり夢見心地で気持ち良かったのかもしれません。

今プラネタリウムというと、全員が同じ方角を向いて座り、今日の星空を映写したあと、星にまつわる物語風の番組を上映するというのがほとんどです。
しかし当時のプラネタリウムは、真中にいろいろな大きさのレンズがたくさんついている、黒くて長細い機械がデンと鎮座し、そこを中心に同心円状に客席が配置されていました。真中に機械があるので、場合によっては影になって向こう側の星が見えなかったり、自分側の方角の星を見るには、顔をかなり後ろ側にそらしたりして、確かに今に比べると不便であったものです。
もちろん、番組の上映など全くなく、科学センターに勤務しているおじさんが矢印が映る懐中電灯や星座の絵が出る懐中電灯などを使って、ひとつひとつの星や星座を説明するのです。 一回の上映が夕方から翌日の朝までをシミュレートしていて、短時間に一晩徹夜で星空を観測したようなそんな気分になります。
一回の上映はすべてそのおじさんの一人舞台だったのですが、今思うとなんとも素朴ながら、名前の紹介だけでなくその星座にまつわるギリシャ神話の話などしてくれるのがとても懐かしく思われるのです。
「この五角形の星座はぎょしゃ座といいます。この一番明るい星がカペラ。お父さんの車もカペラ。」
などとときおりおやじギャグをかましていましたが、しょっちゅう通っていると同じ個所で同じギャグを言うのを聞いてしまったりして、子供ながらにおじさんの苦労を垣間見た思いがしました。^^;
科学センターのプラネタリウムの地平線にはいろいろな建物や山が影絵みたいに黒く貼り付けられていて、そこには甲府盆地から見える山や(富士山はもちろんありました!)建物がありました。それから、バックミュージックには毎回「アルルの女」の組曲が使われていましたが、あのおじさんの趣味だったのでしょうか。

今でも時々プラネタリウムに行くことがありますが、最近は星の名前や説明などあまりやっていなくて、残念だなあと思います。確かに番組を作って上映すれば一般受けはするとは思いますが、それならプラネタリウムでなくたっていいじゃない、とか思ってしまいます。

そのまま星に興味を持っていれば天文部とか入って天文オタクになったかもしれませんが、どうも私の興味はそこまで高じなかったようです。しかし、このプラネタリウム通いで多少の星や星座の名前は覚えました。
天文といえば、正月の談話に書いた職場のT氏のホームページは情報量満載で、読み応えがあります。興味があったら以下のURLにどうぞ。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/4205/



inserted by FC2 system