混声合唱のための「だるまさんがころんだ」


連盟機関誌「ハーモニー」より

混声合唱のための「だるまさんがころんだ」は全体で約15分を要するアカペラ混声6部合唱曲です。この曲は全体で4つの部分に分かれています。
テキストは矢川澄子さんによる「だるまさん千字文」(「アリス閑吟抄」所収)という詩です。合唱曲とするにあたって「だるまさんがころんだ」と改題いたしました。
詩は、だるまさんがころんだ、で始まるひらがな10文字の文章が全部で100行。従って、原題のとおりこれで千字となるわけです。最終行を除いて各行は全て「だるまさん」という言葉から始まっており、この構成上の制約の中でだるまさんの壮大なる人生大河ドラマが展開されていきます。一種の言葉遊び的な詩とも言えますが、その中に普遍的な人生の幸福、苦難を織り交ぜることにより、思わず読む者の共感を誘うのです。
詩は、だるまさんの誕生から始まり、幼年期、少年期、学生時代を経て、だるまさんの勝利、そして結婚へと幸福の絶頂に向かいます。しかし、その後だるまさんの変調、自問、黄昏と続き、そして、だるまさんは最後にレクイエムにも似た平安な眠りにつきます。 運命に翻弄されながらも力強く生きていこうとするだるまさん。そして「手も足も出ない」だるまさんだからこそ、その哀切感がいっそう身に染みるのではないでしょうか。
上記の流れを理解する意味でも、できることならこの詩の全文を是非読んでいただきたいと思っています。

「だるまさんがころんだ」より「1」



inserted by FC2 system