政治不信(00/11/12)


アメリカの大統領選がとんでもない状態になっていますが、それにしても市民全体の選挙に対する活力というのは、日本とは比べるべくもないよなあと感じます。やっぱり、一国の首長を間接的にしろ自分達で選べるというのは、わかりやすい仕組みだし、選挙にも熱が入るというものです。それに比べると、密室で首相が決まってしまう日本というのは、本当に民主主義を標榜する先進国なのか、と疑いたくなります。
私自身の政治不信は別に今に始まったわけではないのですが、結局はああいった派閥のごたごたで物事が決まっていく様って日本社会の縮図みたいで、もうあきらめに近い気持ちだったりします。彼らの行動原理は、自分が所属する集団の意向に沿うことが前提なわけで、そういった有形無形の精神的拘束が自由闊達な議論を阻んでいるように思えます。
例えば、先日のような与党に有利と思われる選挙制度の法案など、「議論が全然足りない」などとマスコミは言いますが、いくら議論したって与党は絶対賛成だし、野党は絶対反対。それならいつ多数決を取ったって同じことです。議論は、途中で意見が変わる人が出たり、双方の妥協点を見つけることに意味があるわけですから、党の利害の前ではかえって余計なこととさえ感じているに違いありません。だから、今の日本の政治は「いかに議論して勝つか」ではなく「いかに自分達が多数派になるか」ということだけに終始しているように思えるのです。

こんな状態では多分イギリスやアメリカのような、2大政党制など日本では機能しないと思うのです。
それで私は考えたのですが、集団の意向に沿う日本人気質はそう変わらないわけで、それならいっそのこと小党乱立状態のほうが議論も活発になるんじゃないでしょうか。小党も10くらいでなくて、30くらいあって^^;、どうせ各議員は党の意向に沿うだけなら、選挙は全部比例代表制。最大得票を得た党の党首が首相になるのなら、首相公選制に近い状態にもなり、有権者ももう少し選挙に興味を持てるようになるのではないでしょうか。
当然そうなると常に連立政権が前提となり、党同士の議論も活発になります。それにより単純な数合わせより、議論で勝つことのほうが重要になってくるはずです。その代わり、政権の基盤は安定せず、長期的視野に立った政策がしづらくなるような気もします。
もちろん、これは政治素人のたわごとです。だけど、自民党の各派閥がつまんないことで綱引きをしているのを見ると、「あーもう面倒くさい。みんなバラバラになって別の党になっちゃえばいいのに!」と思わず一人突っ込みを入れてしまうのです。


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