ポピュラーアカペラの世界(00/10/29)


アカペラといえばもちろん無伴奏による声のみのアンサンブルのことを言うわけですが、最近では「アカペラやりたいね」なんていうと、スナップを鳴らしながら「ダドゥンドゥンドゥン」とか「パーヤラ、ダー」といったスキャットを歌うポピュラー系音楽をさす場合もあるようです。
いちおう、こういうジャンルをコンテンポラリーアカペラなんていったりするようで、合唱で言うところのアカペラと何が違うというと、一人一パートであること、ジャズのハーモニーが多用されていること、そしてマイクを使うこと、といったところになるのでしょう。
この世界は合唱人でも興味のある人は多く、かくいう私も大学時代に友人と遊んだりしました(リンク集の Singer5 参照^^;)。そのきっかけは、私の大学時代に流行った KingsSingers の「Beatles Collection」というアルバムです。KingsSingers はれっきとしたクラシック界のアンサンブルグループなのですが、ポピュラー風の曲もよく歌っています。そして、Beatles Collection というアルバムは、その名のとおりビートルズの有名な曲の数々をアカペラに編曲して歌ったものでした。
そのカッコ良さに魅せられた我々はその曲を耳コピ(音楽を何度も聴きながら楽譜をおこすこと。コアな合唱人が一度は通る道^^;)して、自分達でも歌い、そしてちょっとした機会に披露したりしました。就職してから彼らとは疎遠になってしまいましたが、その後彼らはその活動をひろげオリジナル編曲などをして、多重録音によるレコーディングを度々やっていたようです。(最近、うわさを聞かなくなったんだけど...)

アカペラといえば、山下達郎の一人多重録音によるアルバム「ON THE STREET CORNER」が出たのが1980年で、結構我々の年代の上下で同時多発的にポピュラーのアカペラ世界に興味を持った人がたくさんいたようなのです。Niftyの合唱の部屋で知り合った知人などもこの世界にはまった人達が結構いて、そんな情報もよく耳に入るようになりました。おかげで私も Take6 とか RealGroup なんかのCDを買ったり、KingsSingers や SwingleSingers のコンサートなんかにも出かけました。そんなアカペラマニアが集まって、アカペラマガジンなるものも出来たのですが、残念ながら創刊号以来発刊されてないようです。
特に最近、日本では早稲田大学の Street Corner Symphony というサークルが、この手の音楽好きの注目を集めています。ゴスペラーズ、トライトーンなどの日本で有名なアカペラグループがこのサークルから輩出されているからです。

先日、トライトーンのライブが浜松であったので、私も見に行きました。トライトーンは4年ほど前に、一度生で聞いたことがあったのですが、あれから大きくメンバーも変わっていたので、是非聞きたいと思っていたのです。
以前より彼らのハモリの精度には聞きほれていたのですが、今回はそういった印象に加え、リードのワイルドさ、パーカッションなどの芸の細かさ、そして何といってもエンターテインメントとしての彼らの堂々としたステージに圧倒されました。久しぶりにプロの音楽を聞いたような気がします。年末にかけてトライトーンもコンサートツアーがあるようなので、まだ聞いたことのないかたは是非生のトライトーンを聞いてください。きっとファンになることと思います。
なんだか、またポピュラーなアカペラをやりたくなってきました。


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