合唱団の運営(00/2/13)


先週は合唱団の気になる部分について書いてみました。
多分あの話だけだとちょっと誤解を招く部分もあると思います。人が集まったらどうしたって集団的な性格を持つのは当然ですし、そういう意味では合唱団だけが特殊ではないでしょう。それでも、合唱団の場合、それを誇張するような部分があるんじゃないか、とちょっと思ったのです。
その一つの理由として、団員一人一人がその集団の重要な地位を担っているという感覚が薄い、ということがあると思います。例えば、ベースが10人いれば、一人くらい欠けても音楽的に大差ない、と思ってしまう。結果、個人が自律的に合唱団に関わろうとする気持ちが薄れ、逆に一部の運営グループが団員の帰属意識を高めようとやっきになる、という循環が垣間見えます。また、逆に音楽的に非常に貢献していると自負している人がいて、その人の意見がなかなか団の活動に反映されないと不満が高まることもあります。運営側が固定化されると、後で入ってきた人の意見はなかなか受け入れられにくいからです。
結果的に一番安定する合唱団の形というのは、カリスマ的な指揮者とその取り巻きによる運営という形態です。実際、今の日本で長い間一線で活躍する合唱団というのはほとんどそういう形であることが多いと私には思えます。

とまあ、現状の文句ばかり言っても仕方ありません。そこで、私の今考えている合唱団の運営についてちょっと提案してみたいと思います。ただ、ほとんど実現不可能かと思いますけど^^;。
その1
ほとんどの合唱団は練習への出席率を上げるのに苦慮していることと思います。そもそも、練習時間にきっかり集まれないなんて、プロの世界では有り得ないはずです。自分たちが練習を重ね、お金を取って演奏会を開くというなら、レベルはどうであれそういったプロ根性は絶対必要なのです。
ですから、練習への参加をまず徹底させることが大事です。ただ、遅刻欠席した人にどうして遅れたか、理由を言わせ糾弾するようなことをしてはいけません。これこそ、私の嫌う集団的性格丸出しです。
私の考えいていることは極めて簡単です。例えば練習に8割以上出なければそのステージに載れない、などの規定を設けるのです。また、練習が7時から9時だとしたら、7時から8時までに来た人は遅刻扱いで遅刻は練習に0.5回出た、というように換算します(8時以降など来てないことと同じ)。仮に5分遅れたって遅刻は遅刻。7時練習開始なら、20分くらい前に来て、練習場の準備をしたり、各自声出しをしておくくらいのプロ根性が欲しいものです。これが徹底されれば、7時開始の練習にほぼ全員が集まり、練習時間が有効に取れます(といっても当たり前のことなんですけど)。
もちろん、現実には仕事が遅くなったりでなかなか定時に来れないものです。しかし、それで許してもらっていては、その人の音楽に対する関わりだって結局はいい加減にしかなりません。ちょっときついかもしれないけど、ここまできっちりやりたいものです。

その2
もう一つ言いたいのは、運営スタッフの問題です。
運営スタッフは団の雑務をこなすのが仕事であり、権力を持ってはいけないと私は思います。ときどき、運営側は権力を持っていると勘違いした人が、強制的な言い方をしたり、まるで学校の先生にでもなったつもりで話すような人がいますが、それにはとても違和感を感じるのです。
そこで私の提案は、団費から運営スタッフに対して何らかの報酬を出すべき、ということです。
報酬を伴わないボランティアだからこそ、その人の情熱だけで運営していることになってしまいます。だから、積極的に仕事をこなしてくれる運営側に対して誰も文句が言えないのです。「仕事もしないやつに文句は言われたくない」というわけです。
お互いがお互いの立場を尊重し合いながら、それでも自由に意見を言えるような環境にするには、仕事に対して一般団員が何らかの形で報いなければいけません。もちろん、それほど大人数でなければ、運営側に払われる報酬は微々たるものでしょう。しかしたとえ小額であっても、お金をもらって仕事をしていることになれば、それなりの責任と義務が発生します。
ここで、運営側の大義名分がはっきりします。彼らは権力を持っているのではなく、報酬をもらっている義務として団の仕事をこなすことになるのです。できれば、運営側が固定しないような選挙のようなしくみも必要でしょうが、そのあたりはまだちゃんと考えたわけではありません。


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