歌う喜びを共に(99/5/30)


29日土曜日に無事、VOX POPULIの演奏会が終わりました。
今回は、いろいろあっていったいどうなることやら、と思いましたが、結果としては上々だったと思います。無論、実力以上のものが出るわけはなく、後で録音を聞くとかなりつらい部分もありますが、ピッチ的な大崩れがなかっただけでもよしとしましょうか。
当日来場いただいたお客様にはこの場を借りて御礼申し上げます。
また、今回初演しました辻仁成作詩の「応答願イマス」の楽譜や録音を聞きたいという方がいましたら、連絡いただければお送りいたします。
以下に当日のパンフレットの前書きを掲載しておきます。

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歌う喜びを共に
月日のたつのは早いもので、VOX POPULIを結成してからこの5月で5年がたちました。その間何人かの入れ替わりはあったものの、ほぼ同じような人数で活動してきました。演奏会の他には合唱コンクールなどにも取り組んでまいりましたが、より高いレベルへの脱皮を目指しながらも一向に変わらない自分たちに苦笑しているまま、今日の演奏会を迎えてしまったところです。
ところで、歌を歌うことは音楽の中でも最もプリミティブな楽しみ方でありましょう。しかしまた合唱は、声が出るなら誰でも参加できるといった気軽さと同時に、個々の抱えている楽器を簡単に交換することができないという宿命を持った、容赦ない厳しさも持っています。時に、そんな現実の前で、自分のやってきたことが馬鹿馬鹿しく思えることだってあります。それでも、一緒にハーモニーを楽しみ、ほんのわずかながらも充実した音楽を体験することによって、私たちは歌うことに何らかの喜びを感じていると思うのです。
また、「声を出す=身体の外に自分の中の何かを放出する」というように考えれば、私たちの心に秘めた想いや大切な感情を歌で表現することはとても自然なことだと思います。歌を歌う人がいつもそんなように考えるならば、その演奏は本当に人の心を打つはずだと信じて私は合唱を続けています。
歌うことにシリアスになるつもりはありません。もっともっと、私たちの歌を多くの人に聞いて欲しいし、同じ喜びを共有したいと思っています。そして、同じ波長を持った人たちと共に新しい歌を歌っていきたい、と心から願っているのです。


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