テレビは進化する(01/10/20)


パソコンとテレビの相性が高まっているようです。
パソコンでテレビが見れる、というのはちょっと前からありましたが、これにだんだんパソコンが得意とする機能が付き始めました。映像フォーマットの規格が固まってきたのと、ハードディスクの大容量化で、映像もパソコンにストックしておくことが現実的になってきたようです。
最初はパソコンでテレビが見れること自体、そんなに魅力的だとは思えませんでした。パソコンに向かうときはあくまでパソコンで出来ることをするはずだから、そこでテレビを見る必要は感じません。それに居間にデンと置いてあるテレビには、それなりに家庭の中での役割があるというものです。しかし、問題はそういったライフスタイル的なことではなくて、これからのテレビやビデオの技術的なあり方に関わることだと最近ようやく気付きました。
つまり、パソコンもテレビもビデオも本質的には同じことをやる機械になりつつあり、製品の見せ方はどうであろうと中身は一緒になっていくということなのです。
今のところ、多くの人はテレビらしさ、にまだこだわっていて、こういった世界はパソコン上でしか実現していませんが、きっと10年ほどしたら、テレビやビデオはコンピュータ化されているに違いありません。自分の見たい番組は、家庭内のサーバーにストックされいつでも好きな時間に見ることができます。もう、ビデオテープにとって保存しておく必要はないのです。

例えば、多くの人がこんな経験をしたことはあると思います。
どうしても見たい番組が、その日用事があり見れません。そこで予約録画しておきます。たまたま家に早く帰ってきたら、その番組を放送していて、そこからテレビを見始めてもいいのだけど、やはり番組の最初から見たい。仕方がないので、番組が終わるまでテレビを見ずに、そのあと録音したテープを巻き戻してようやく番組を見るのです。なんだか、待っている間がなんとも無駄な時間になってしまいます。
テープでは録音している最中に、別の場所を再生することができません。でも、ハードディスクならできます。だから10分前から始まった放送を録音しつつ、今から見始めるということが可能なのです。この場合、絶えずメモリには「10分」分の映像が保存されていれば良いということになります。
しかし、これは考えようによっては、放送という概念を根本から覆すことになるかもしれません。自分の見たい番組は、指定しておけばいつでも好きな時間に見れるわけで、もうテレビ局が特定の時間に放映する必要はなくなります。映像はリアルタイムで見れるように送る必要もなく、ネットワーク上で好みの番組を拾ってくれば良いということになります。
もっともこういった考え方が、すぐに今のテレビの楽しみ方と置き換わるわけではないと思います。例えば、見たい番組を見るだけでなく、ただなんとなくテレビをつけて、面白そうなチャンネルを探すということを日常私たちもしているわけで、そういった楽しみは今の放送の仕方のほうがあっています。
デジタル化、ネットワーク化でこれまでの常識がかなり変わってきます。テレビの楽しみ方ももう10年後には全然違うものになっているかもしれません。



inserted by FC2 system