35歳になった夜、生タリスを聴く(01/6/23)


昨夜、名古屋の愛知県芸術劇場にて行われたタリススコラーズの演奏会に妻と2人で行ってきました。
名古屋音楽大学の演奏家招聘シリーズというやつで、なんと入場料はタダ!。もちろん、その前にはがきでの応募と抽選があったのでしたが。

さて、そのタリススコラーズですが合唱ファンには説明するまでもない合唱界のスーパースター。ピーターフィリップスを指揮者とする、各パート二人ほどのイギリスの小合唱団です。
タリススコラーズが日本で演奏ツアーすることはそれほどめずらしいことではないのですが(前回は1999年にも来ている)、私自身はタリススコラーズの演奏を聴くのは今回が初めてでしたので、大変楽しみにして行ったのでした。
初めて生で聴いたタリススコラーズの音は、本当にCDと同じサウンド。芸術劇場コンサートホールの良質な音響とよくマッチしていて、素晴らしい演奏を聞くことが出来ました。大満足。
キングスシンガーズやECJ、コンチェルトイタリアーノなどのグループと違うのは、やはり一声部を2人で歌うことがあるという点でしょう。例えば、ピアノの調律で大変なのは同じ音程の3本の弦のピッチを合わせることであり、これと同様に、2人ないし3人で同じパートを歌うというのは、相当繊細なピッチや音色合わせをする必要があると推察されます。一人一パートなら、個人がもっと自由に歌うような積極的な歌いまわしのほうが強調されますが、タリススコラーズでは各パートの安定感と均整の取れたサウンドがやはり持ち味なのだなと感じました。
もちろん、曲によっては声部の関係で一人一パートになることもありましたし、パート分けに関してはかなり柔軟であるようです。これははっきり言って自信がないのですが(3階席でしたので)、同じパートを同じ曲の中で一人で歌ったり、二人で歌っていたこともあったような気がしました。
曲目は全てイギリスのルネサンス時代の宗教曲。わたしの知っている曲ではタリスの「エレミア哀歌第一部」も演奏しました。
全席自由ということもあり、我々が着いた頃には会場前は長蛇の列。最終的には客席は満席で、なんと立ち見まで現れるほどの盛況ぶり(消防法とかでまずいんじゃないんだろうか?)。ミサ曲の途中で拍手をしてしまうアクシデント(?)もありましたが、タリススコラーズのアカペラの美しい響きに聴衆の誰もが聞き入っていたことと思います。

さて、上と関係ないどうでもいいことなんですが、私も35歳になってしまいました。
もっと年上の人から見れば、35なんてまだまだアオいなぁ、などと言われそうですが、このまま無駄に年を取っていきたくないなあ、と切に感じた誕生日の夜でありました。


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