オンデマンド出版(01/2/4)


あなたはオンデマンド出版というものをご存知ですか。
通常、出版といえば版ごとに数千部とか印刷して、各書店で売られるわけですが、オンデマンド出版とは注文があったときに初めて本を印刷して売るという方法です。専門性が高く、数が出ないような本の場合、通常の方法で本を作ると、本の制作費を回収できるだけの利益を得るのは難しくなります。しかし、本の原版そのものを全てパソコン上で作成することによって、注文されたときだけ印刷するということが可能になり、売れない本を在庫として抱えるというリスクを負う必要がないのです。

専門性が高い、数が出ない、と聞いてすぐに思い浮かぶのは楽譜です。ピアノ楽譜やママさんコーラス向けの楽譜ならまだ数が出るものの、合唱の世界でもオリジナル合唱曲、その中でも難易度の高いものとなれば、そうそう売れるとは思えません。
もともと、楽譜というのは非常にコピーされやすいのです。これはコピーを違法だと感ずる意識の低さが一番問題ではあるものの、ページ数が少なくて高価、一度に同じ人が同じものを必要とする、コピーによる情報劣化がない、というコピーを助長するような性質を兼ね備えているからでしょう。
楽譜のコピーがはびこると、楽譜が売れなくなる。楽譜が売れなくなると、出版社はより売れそうもない曲を出版しなくなる。結果的に、それを享受するはずの音楽愛好家が不利益を蒙ります。よく言われる話だけど、でも現実はどこにいってもコピー天国なわけですね。
そういえば、某老舗楽譜出版社の経営難のニュースなんかもあったりして、楽譜出版という商売は成り立たなくなっちゃうのかな、なんて思っていた矢先、このオンデマンド出版で楽譜を作るというベンチャー企業が現れました。

Chorus Score Club というこの出版社、実は私も早速お世話になりました。
こちらの出版社から私の楽譜を出してもらうことになったのです。詳しくはChorus Score Clubのホームページを見てください。
もちろん出版といっても、オンデマンドですから楽譜店に並ぶわけではありません。入手したい方は直接、ホームページなどで注文してください。
自分が出してもらったから言うわけではないですが^^;、この会社を作った方、なかなかアイデアマンでバイタリティに溢れていると思いました。今後、面白い商売をどんどん始めてくれるような気がします。是非、皆さんも応援してあげてください。

ホームページは: http://www.chorus-club.co.jp/


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